歯のおはなし〜受験(勉強)と歯(あるいはお口)の健康〜
こんにちは!三木照久歯科、院長の三木照久です。
さて、いよいよ受験の季節。学生の皆様はいよいよ勝負の時ですね。今まで頑張ってきた集大成を示す時です。残りの日々、当日に全てを出し切れる様、とにかく健康管理だけは気をつけてお過ごし下さい。
さて、そんな受験生の皆さん、そしてこれから本格的に受験生になっていく皆さんにとって、歯(あるいはお口)の健康は極めて重要です。
「腹が減っては戦ができぬ」
「歯がなくては咀嚼ができぬ」
「咀嚼なくして脳血流アップできぬ」
です。
まず「腹が減っては」…と言っても、たらふく食べろと言っているわけでは有りません。栄養のバランスが取れた食事を、しっかりと噛んで食べよう、ということです。
満腹中枢は、確かにお腹いっぱい、腹十二分に食べても働きますが…それより先に、よく噛めば咀嚼回数で働きます。逆にあまり噛まずに食べると、食べ過ぎるまで満腹感が得られず…血糖値の急激な上昇を招き、また消化器系の活動に膨大なエネルギーをとられ、眠くなったり頭の働きも悪くなります。よく噛めば、程よく八分目で満腹感が生じ、脳の働きも損なわれず、勉強に支障をきたしません。
そういった「しっかり咀嚼」を実践するためにも、野菜を多く摂ることを心がけると良いでしょう。お肉…も、もちろんタンパク質を摂るために有効な食材ですが…飲み込みやすいので、あまり噛まずに丸飲みしがちです。その点野菜だと、よく噛んで食べる可能性が高くなります。当然、血糖値のコントロールにも有効と言えます。
栄養バランスだけではなく「しっかり咀嚼」のためにも、野菜を摂ることを意識して、よく噛んで食べましょう。
次に、よく噛むためには咀嚼の効率がよくなくてはなりません。そのためには健やかな歯が揃っていること、また噛み合わせも大切です。噛める歯が揃っていて、しっかり噛めるからこそ、咀嚼効率が上がります。よく噛み、食べ物が細かく砕かれ、唾液とよく混ざることで、その後に行われる嚥下→消化→吸収がすべてうまくいきます。せっかく栄養のバランスがとれたよい食事を心がけても、咀嚼がしっかりとなされていなければ消化も吸収もうまくできません。たとえれば、例題や練習問題が解けなくては…噛み砕いて飲み込めていなければ、応用問題を解き得る理解…知識の確実な吸収…に、至らないのと同じです。
採った栄養を有効活用する重要な第一段階として咀嚼がある、ということです。そのためには、常に歯を健康な状態に。そして噛み合わせを良好な状態に保っておくことが大切です。
次に「脳血流アップ」ですが…日々の勉強を捗らせることはもちろん、試験当日…脳にインプットされたデータを最大限活かして全て出し尽くすには、脳の活性を高く保たなければなりません。そうするには、脳に大量の血液を送る必要があります。ここでも、咀嚼はとても重要な役目を果たします。
血液を全身に送るメインのポンプは…ご承知の通り、心臓です。
ふくらはぎは第二の心臓…なんていうフレーズを聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。
この言葉は、体の一番下にあり心臓からも遠い足先は血流の勢いも弱くなり、また下から上に向かって重力に逆らって血液は戻りにくいためむくみやすく、そこから心臓まで血液を効率よく戻すためには、大きな筋肉をもつふくらはぎの血行をよくするといい…ということに由来します。
さて、口、咀嚼は何故脳血流に役立つのでしょうか?
四つ足の動物の多くは、心臓から頭に血液を送りやすい体をしています。頭と心臓が同じ高さにあるからです。
かたや二足歩行である人間は、頭が心臓より上に位置します。その間に在って、大きな筋肉が複数あり、最も盛んに、かつ力強く動かすのが…お口ですね。このため、お口の運動は脳に血液を押し上げるための強力なポンプになるのです。しっかり噛んで、脳にタップリと血液を送り込んであげましょう。
特に試験当日は、栄養のバランスを考えた朝ごはんを(食べ過ぎは禁物ですが)、よく噛み、脳をフルパワーで働かせられる体制で臨んで下さい。きっと結果につながるはずです。
では、受験生の皆さん。ご家族の皆さん。今までの頑張りが、ご家族のサポートが報われますよう、心よりお祈り申し上げております。