こんにちは!三木照久歯科、院長の三木照久です。
ご相談の件ですが…まず、「治療終了後に固いものを噛むと痛いことがある」という点に関しては、有り得ないことではないと思われます。
もちろん、治療した歯そのものの状態が良くないという可能性も否定はできませんが…そうでない場合にも、そういう症状が出ることは、あります。
まず、神経のある場所には、血管も走っています。全ての臓器・器官まで、栄養その他必要な成分を運ぶため、神経と血管は人体の隅々まで張り巡らされています。
そのため、歯の神経を取ったと申しましても、その直下の骨の中には神経が有ります。被せ物が入って噛み合わせの機能が復活すると、噛むことでそこに圧迫が起こります。
また、神経を取った歯は、同時にそこに伴行する血管も取っていますので、水分の供給がなくなり、わずかながらしなやかさを失います。
被せ物はどの素材であっても、固さ等物理的特性が天然の歯とは異なります。
以上のことから、元の歯とは、「神経を取り、被せ物をした歯」は、同じように見えても別のものになります。当然ながら、感覚も変化します。
ですので、…状態によっては全く違和感のない場合も多々ありますが…治療を終えてすぐの歯は、噛むと違和感や、若干の痛みがしばらく続くいうことは、しばしば起こりうることです。
これは教科書に書いてあることではなく、お恥ずかしながら、子供の頃の管理不行き届きで、私自身が神経のない歯があり、それで実感したことです。
この場合、時間とともに症状は軽減してくると思われます。
または、歯そのものではなく、歯周病の影響の可能性も考えられます。
大変失礼ながら、私達は患者さんのご年齢も考慮しなくてはなりません。そのご年齢から考えますと、高い確率で歯周病に罹患していることが考えられます。その歯周病の詳しい検査や綿密な治療は、歯の治療の前、または同時進行的に受けられましたでしょうか。
歯がお家だとして、歯周組織…その歯を周りで支えている骨は、地盤に当たります。歯周病(=地盤)の緩みは、当然ながら歯(=お家)の異常と感じる症状にもなることがあります。
または、噛み合わせの調整のアンバランスも考えられます。その歯だけが強く当たって、他の歯があまり噛んでない感じなどはありませんか?噛み合わせに問題があると、とりわけ神経を取っている歯は、それこそ歯の根が折れてしまう大きな原因になってしまいます。
もちろん診て下さってる先生は、しっかりと調整をして下さった事とは思いますが…今一度、見直していただくというのも、症状軽減の一つの助けになるかも知れません。
噛み合わせがうまくいっていない感じがされる場合は、歯周病、噛み合わせの不具合、もしくはその両方の可能性も考えられます。
お口の症状にご不安があるときは、むしろ遠慮なく、かかりつけの先生に納得いくまでご相談されるといいと思います。それをしっかり、真正面からドンと受け止めて、誠心誠意全力で対応するのが、歯科医師・歯科医院の役目と…私は、信じています。
それをしてもお悩みが拭い去れないときは、私へのご相談だけではなく、本当のセカンドオピニオンを求められてもいいのではないでしょうか。
では、本当にお大事になさって下さいね。 |