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2010年７月７日　徳島県阿南市　小学校６年生　男の子

　小学校6年生の男子なのですが、学校で歯科検診で危険乳歯があるのがわかり、歯医者にいきました。
　歯を取るのが嫌で泣き暴れます。女の先生が嫌なのか、歯を見せません。
　どうしたら、口を開けることが、我慢することができるのでしょか。

　こんにちは!三木照久歯科、院長の三木照久です。
　御相談の件ですが、危険乳歯というのは大きな虫歯のある乳歯ということでしょうか?それとも生え換わりの時期なのに、永久歯が生えてくるのを邪魔している乳歯という意味なのでしょうか。いずれにしても、「現段階で、抜歯しておいた方がよい乳歯」と解釈をさせていただき、ご回答をさせていただきたいと思います。
　６年生の児童ということですから、平均的にはかなり理解力をもち、付き添いの方は待合室でお待ちいただき、一人で治療を受けられるケースがほとんどと言えるでしょう。歯医者さんにあまり行ったことがないお子様なのでしょうか？それとも、いままで歯医者さんでよほど嫌な目にあったことがあるのでしょうか。
　直接お子様と接しておりませんので断定的なことは申し上げられませんが、当院ならば、(緊急度にもよりますが)まずすぐに治療に移らず、お口の中に、鏡などのあまり怖そうでない器具を入れたりして、練習から始めるかも知れません。そして「ほら、怖くないでしょ?痛くないでしょ?」という風に徐々に慣れさせていって、しかるべき治療を行うというのがまず第一選択肢になります。
　それでも治療に対してあまりにも非協力的な場合は、やむを得ず強制的に治療を行うこともあるでしょう。これは一見かわいそうなようですが、虫歯という、一般的に考えられているよりは怖い病気にかかっているお子さんを治療しないほうがかわいそうです。ずっと非協力的なお子さんが治療を許してくれるまで何回も待っている間にも、病魔は進行し続けます。
　ですが、そうした方法はあくまで最終手段であり、もちろん不本意な方法です。当院では、当日たとえば歯磨きの練習だけして、次回はいろんな器具をお口に入れるところまでやってみよう、という計画をしたら、そのことをお子様に伝え、保護者の方の前で本人に約束をしてもらいます。約束が出来たら、その日はお帰りいただきます。
　そして、保護者の方にも協力していただき、次の来院日までに説得をお願いします。約束をし、説得を保護者の方から受けたにも関わらず、次に来たときにも言うことが聞けなかった場合は、保護者の方から「先生と前に約束したの、お母さん(お父さんでもおばあちゃんでもいいですが)も聞いてたよ」と、毅然とした態度で言っていただきます。それで治療を受け入れてくれたら、全力で痛くないよう、怖くないようにやるべきことを行い、「思ったよりは怖くないなぁ」とお子さんに理解してもらい、信頼関係を築き上げていく、という方針をなるべく取っています。
　お子様が一番信頼し、また逆に叱られたときに一番いうことを聞くのは他ならぬ保護者の方です。保護者の方がお子様本人のことを思って「治療を受けなさい」というのが聞けない段階で、歯科医師のいうことは聞いてくれません。お子様は、治療を受けに来てもまず保護者の方の顔色をうかがっています。保護者の方が毅然とした態度なら、すぐにいうことは聞けないまでもある程度「いうことを聞かないといけないみたいだ」とは思いますし、泣いて手を差し伸べたら抱き上げてくれるようだと、「お母さんは味方、歯医者は敵」になり、なかなか治療は受けられません。我々もお子さんの味方であり、治療が御本人のために必要であり、保護者の方も歯科医師と意見が同じであるということをお子様御本人に理解してもらうためには、保護者の方の全面的な協力が欠かせません。
　そして治療がちゃんと受けられたなら、歯科医院スタッフ、保護者の方全員で、大げさ極まりないほどほめちぎってあげる、こうすることで、怖かった治療を受けられたことに誇りを持ち、帰るときにいい印象を持って帰り、また今度治療を受けられたらまた皆が褒めてくれる、それが動機になってまた次の治療が頑張れる子になれる、というサイクルができれば一番いいと思います。
　では、お子様、お母様ともども、本当にお大事になさってくださいね。

徳島市鮎喰町1-15-10城西高校正門前[詳細]
徳島市バス鮎喰町1丁目停留所：徒歩5分
徳バス上鮎喰町停留所：徒歩5分


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