徳島県,徳島市,歯科,歯医者

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2009年２月８日　徳島県阿南市　４０歳　女性

　初めまして。最初冷たいものを飲むと、口の中右上の歯茎の裏がわが広い範囲(感覚としては1cm～2cm)でしみるため歯医者にいったところ、右上の奥歯が虫歯でした。レントゲンをとったところ、奥まで進行しているので神経を抜く必要があるかもしれませんといわれました。現在は虫歯を削り、仮の詰め物・ふたをしています。１週間様子をみて神経をぬくかどうか決めましょうといわれています。
　現在３日目風呂上がりに２時間ほど痛む日がありました。日中も少し違和感を感じることもあります。やはり神経を抜く必要があるでしょうか？もし神経を抜かないでいると悪化してよくないのでしょうか？できれば神経を抜きたくないと思っているのですが、神経を抜く必要があると判断するのはどの程度の痛み・違和感なのでしょうか？また神経を抜くことになった場合、その後の治療は大変なのでしょうか。ご指導よろしくお願いします。

　こんにちは!三木照久歯科、院長の三木照久です。
　御相談の件ですが、メールでいただいた状態、自覚症状から推測する限り、神経を取る治療(歯の状態によって、抜髄または感染根管治療と呼ばれます)になる可能性は、残念ながら捨てきれません。ただ「病気」になってしまった歯に「治療」という刺激が加わったために、一時的におっしゃるような症状が起きてしまうこともありますので(その場合は神経を抜かずに済むこともあります)、最終的な診断を下すためには、診られている先生がおっしゃるように時間と、レントゲンなどを用いた検査が必要になると考えられます。その判断には、場合によっては1週間からさらに経過を観察していくことも必要になってくるかも知れません。痛み・違和感の大きさ、頻度、程度、期間等も、もちろん診断の大きな要素となりますが、それらのみで確定的な診断をくだすことはできないと思います。
　もし「神経を抜かなければ治らない」状態だとして、その治療をしなければ、お察しのとおりその歯の状態は現在より悪化すると考えられます。原則的に自然治癒はしません。そうなった場合、神経を抜く以外に根の先を取る手術(歯根端切除術)を受けなければならなくなったり、最悪の場合抜歯になることもあります(そうなるとしても数カ月～数年後のことですが)。お気持ちはお察ししますが、もし神経を取らなければならない状態だとすれば、しっかりと治療を受けられたほうがよいです。
　残念ながら、病気の程度によって神経を取ったり、根の先を取ったりする処置を受けられた場合、統計的には「健康な歯をそのまま維持した場合」に比べれば、その歯の寿命は短くなる場合が多いです。ですが、もし神経を取らなければならない歯の場合、虫歯の程度はC1(軽度)～C4(重度)の中でよくてC2、悪くてC3という段階です。C4は抜歯しか選択肢がない状態ですから、今のうちにしかるべき治療を受けないと、早晩抜歯になる可能性がある、ということになります。
　歯科の治療に限らず、その臓器・器官の寿命に関わるほど大きな病気にかかった場合、処置を受けても完全に元通りになるというのは難しいことも多いと考えられます。歯以外の臓器で例をあげれば、胃潰瘍になって胃を半分取ったとしたら、元通りの胃と同じではないように、です。健康なその臓器・器官の状態が100点、病気になった状態が20点・30点としてそのまま放置すれば0点かマイナスにまでなる可能性がある時、60点かあわよくば90点に戻そう、というのが外科的処置です。とくに歯は自己修復能力が全くと言ってもいいほどないため、病気が進行すれば処置も原則大きくなります。お考えのとおり、神経は取らなくて済むものならもちろん取らない方がいいです。ですがそれが必要になった場合、現在の状態から100％健康な状態だった時に近くなるよう、可能な限り機能回復しようという目的のためになされるものだとお考えください。
　御相談くださったあなたさまの歯の神経を取らなくて済むよう心からお祈り申し上げますが、必要となれば処置を受けられたほうが、現在のまま放置されるより快適で、健康な状態のお口をより長期保つことが可能と考えられます。ご理解ください。
　では、本当にお大事になさってくださいね。

徳島市鮎喰町1-15-10城西高校正門前[詳細]
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