はじめまして!三木照久歯科です。
親知らず、特に下顎の抜歯は大変な思いをされたことでしょう。私たち歯医者側としても、親知らずの抜歯は日常行う処置の中では大掛かりな処置の1つですが、何と言っても一番しんどいのは処置を受ける患者さんご自身ですよね。本当にお疲れさまでした。
ご心配されているのは、抜歯をしてもらったあとの痛みがなかなか消えないということですよね。あなた様が今回抜歯された親知らずの大きさ、骨の中での向きや、どのぐらいの深さにうまっていたか、またその処置を行われた先生の術式の詳細が分かりませんので、断定的なことは申し上げられませんが、処置から10日程度で有れば、鎮痛剤を飲まざるを得ない痛みが残ってしまっていることが、イコール「異常」とはいえないと思われます。
当院でも、1ヶ月に平均して約70本ほど親知らずの抜歯を行っていますが、上の親知らずなら97%は抜歯後の痛みは有りませんが、下の、しかも埋まっている親知らずの抜歯の際には、やはり現在のあなた様のような痛みが、しばらく残ってしまうことがあります。
親知らずに限らず、抜歯の場合には、患者さんにとっては一番嫌な「痛み」がしばらくのあいだ残ってしまう可能性は、常につきまとうものです。痛みの続く期間、その程度などは個人差があり、またどの場所にある歯を抜くのか、加えて抜歯前の歯の状態、周囲の骨や歯肉の状態(これらの条件は、イコール抜歯の難易度だとお考え下さい)、処置を行う先生の技術、患者さんの体調など、様々な要素が絡み合ってあらわれてくるものが痛みですから、一概にどの程度の痛みが、どの程度続くのかは、「歯科医師は歯のプロフェッショナル」といえども、なかなか完全に予測するのは困難なことです。
今回のあなた様のケースでは、
・下の顎の
・埋まっている親知らずを
・周囲の組織を削って
抜歯したということですので、痛みが他の比較的容易な抜歯の際よりも大きく出てしまう条件を、3つ満たしてしまっています。下の顎の骨は上の骨よりも硬いので、それだけ抜歯時の「しぶとさ」も強く、埋まっていたためにやむを得ず周囲の組織にまで及ぶ処置がなされたわけですから、処置の大きさぶんだけ炎症も強く出てしまっているのだと考えられます。
また痛みは、炎症の中心部から波紋のように広がっていきますので、抜いた場所から近い耳や首まで痛みが及んでしまうこと、場合によってはしばらくの間、顎が開けにくくなることなども、しばしば起こりうることです。
診ていただく先生を変えられるかどうかは、最終的にはご本人がお決めになられるのが私は一番よいと思いますが、個人的な意見を申し上げるなら、やはり抜歯前・抜歯時を、処置を行われた先生は一番よくご存知だと思います。
抜歯から10日ということでしたら、もうしばらくいま診られている先生に経過を診ていただいた上で、痛みが少しずつでもひいてきているか、またその先生の説明や、術後のケアに対してご納得されるかどうか等を考えられた上で、決められてはいかがでしょうか。
では、本当にお大事になさってください。痛みが落ち着き、あなた様が一日も早く安心されることを願っております。
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